HIROKIM STOREはご存じの通りフィリピン人を専門にサービスを提供しています。
その中で日本人への価格とフィリピン人への価格は別なものとして設定されています。
特に日本人への制作等の費用が高いというわけではなく、他の日本の会社と比べれば安いのですが、フィリピン人向け価格よりは高い設定になっています。
それにはいくつかの理由があります。
デザインに関しては、フィリピン人と日本人では当然指向性が異なります。
使う言語も違えば好みの色合いも違う、フィリピン人向けのデザインと日本人向けのデザインは根本的に異なるのです。デザイナーのスキルも求められるものが異なります。
そういった部分も影響しますが、なによりも日本人のスタイルに大きな理由があります。よくみられる傾向を述べてみたいと思います。
1.任せるといっても結局任せない
日本人の任せるという言葉は、実際に任せるとなりません。確認をすると間違いなく、まったく異なる対抗案が出されることがよくあります。
フィリピン人の場合は分からないから専門家に任せるというそのままの意味なので、そういったことは滅多にありません。
2.ちょっとサンプルだしてくれる?
アイデアがないからちょっとつくって。この言葉はよく日本人が口にします。ちょっと作るのにも費用が発生します。サンプルをつくると当然費用が発生となりますが、その意識がありません。サンプルができるとここからアイデアを膨らまして作ろうとするのが日本人の特徴です。そのためやり直し、二度手間が多くなります。
最初にアイデアをまとめたりは苦手だが、他人の作ったものに修正を入れることは好きな人が多いのかもしれません。修正を入れることで自分がこだわって作ったという満足感を得られる人も中にはいるようで、そういった方は必要以上に修正を繰り返す傾向があります。
色味を見たいと1部作ってくれる?とも言ってくる人がいますが、1部作るのにも工場の機械を回さなくてはなりません。よっぽどこだわっているものであれば、サンプルに費用をかけても意味がありますが、とりあえずする要求ではありません。
どれだけ費用をかけてもいいという方は、そんな進め方でも問題ありません。
3.ちょっと来てもらえる?ミーティングしよう
すぐに話し合いを求めてくるのも日本人の特徴です。会って話さないと伝わらないからという理由で呼びたがります。ミーティングにも人件費・諸経費がかかります。
4.いくらでできる?
単純に安くやりたいということですが、よく日本人は他社と比較してきます。比較するのは構いませんが、どういうスタイルで制作を進めるのか、その人の性格・凝り方などがわからないまま値段だけ教えてと言われることがほとんどです。安く仕上げたいのであればそれなりの労力を費やしていただく必要があると我々は思っています。
その結果こういうことになります。1制作あたり。
日本人の平均修正回数:8回/ミーティング平均回数:3回
フィリピン人の平均修正回数:2回/ミーティング平均回数:1回
デザイナーが修正のために他の業務をおいて対応しなければならない回数。1回数時間。同じ依頼方法でフィリピン人と日本人ではこれほど異なります。それを名刺制作のような小さい制作で要求された場合、いったいいくらの費用をかけてものごとを進めようとしているのかという問題がでてきます。
単純計算でもフィリピン人の4倍は費用を考えなければ実現できません。
時給3000円のデザイナーが、朝も夜も思いつきで言われるままに作業を続ければいくらの費用がかかるかと想像して頂ければわかるかと思います。ミーティングに行けば、その時間は他の作業ができません。
日本人向けには、このような国民性を踏まえた値段にしないと、日本人が当然のように求めてくる対応を実現できなくなります。
以上の点から日本人にはフィリピン人よりも安くする理由がないという結果になっています。
そのため、基本的には作業に無駄が多く出て他に影響がでるため、日本人からの依頼はフィリピン人からの紹介がない限り受けない形をとっています。